「文系だから数学や計算問題が本当に苦手……」
「公式が多すぎて、どの場面でどれを使えばいいのか分からなくなる……」
FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)3級・2級の受験生から最も多く寄せられる悩みのひとつが「計算問題への苦手意識」です。
しかし、実はFPの計算問題は「最も対策しやすく、満点を狙いやすいボーナス問題」です。なぜなら、出題されるパターンと公式は完全に決まっており、ひねった応用問題がほとんど出ないからです。
本記事では、学科・実技を問わず毎回答格のように出題される「絶対に落とせない重要公式10選」を厳選し、見分け方のコツ・具体例・電卓の計算手順まで徹底的に分かりやすくまとめました!
計算問題攻略の3大原則
- 数学の才能は不要: 出題されるのは四則演算(+−×÷)のみ。公式に数字を当てはめるだけの作業です。
- 実技試験の合否を左右: 実技試験(配点100点)の約30〜50%は計算問題。ここを取れれば一発合格は確実。
- 電卓を味方にする: メモリ機能(M+/M-)や%キーの簡単な使い方を知るだけでケアレスミスが激減します。
1. 【ライフ】6大係数(終価・現価・年金終価・減債・年金現価・資本回収)
ライフプラン策定で最も頻出するのが「6つの係数」です。「将来の金額を求めるのか?」「現在の金額を求めるのか?」「一括か?積立(年金)か?」で瞬時に見分けるのが鉄則です。
| 係数名 | 求めたいもの | 試験でのキーワードと具体例 |
|---|---|---|
| 終価係数 | 元本の一括運用後の将来額 | 「現在100万円を年利2%で10年間複利運用したらいくらになるか?」 |
| 現価係数 | 将来の目標額を得るための現在の元本 | 「10年後に100万円を用意するには、年利2%で現在いくら預ければよいか?」 |
| 年金終価係数 | 毎年一定額を積み立てた将来の合計額 | 「毎年10万円を年利2%で10年間積み立てた場合の満期額は?」 |
| 減債基金係数 | 将来の目標額を貯めるための毎年の積立額 | 「10年後に300万円貯めるには、年利2%で毎年いくら積み立てる必要があるか?」 |
| 年金現価係数 | 将来一定額を毎年受け取るための必要元本 | 「10年間にわたり毎年50万円ずつ受け取るには、現在いくら資金が必要か?」 |
| 資本回収係数 | 現在の元本を取り崩す(または借入返済)毎年の受取額/返済額 | 「退職金2,000万円を10年で均等に取り崩す場合、毎年いくら受け取れるか?(住宅ローン返済額の計算)」 |
一発で見分ける暗記法
「将来の目標」から「毎年の積立」を求める ➡ 減債基金係数
「現在の元本」から「毎年の受取/ローン返済」を求める ➡ 資本回収係数
※この2つの混同が試験で最も狙われます!「ローン返済・取り崩し=資本回収」と頭に叩き込みましょう。
2. 【ライフ】老齢基礎年金の受給額計算
原則として保険料を40年(480ヶ月)全額納付した人が受け取れる老齢基礎年金の満額は約816,000円(※年度の改定額が問題文に与えられます)です。
年金額 = 満額 × [ { 納付済月数 + (全額免除月数 × 4/8※) } ÷ 480月 ]
※平成21年4月以降の国庫負担割合は「1/2(4/8)」。一部免除の場合は残りを納付していることが条件。
問題文にある「保険料納付済月数」と「免除月数」を正確に式に代入するだけで解けます。学生納付特例や納付猶予の期間は「受給資格期間には算入されるが、年金額の計算には反映されない(追納しない限りゼロ円扱い)」という点も引っかけの超頻出ポイントです。
3. 【金融】株式投資の4大指標(PER・PBR・ROE・配当利回り)
FP2級・3級の実技・学科問わず100%出題される株式指標です。
| 指標 | 計算公式 | 覚え方のコツと意味 |
|---|---|---|
| PER(株価収益率) | 株価 ÷ 1株当たり当期純利益(EPS) |
利益の何倍まで買われているか(倍率が低いほど割安) |
| PBR(株価純資産倍率) | 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS) |
解散価値(純資産)の何倍か(1倍割れは超割安) |
| ROE(自己資本利益率) | (当期純利益 ÷ 自己資本) × 100 |
株主から集めた資金をどれだけ効率的に利益にしたか(%) |
| 配当利回り | (1株当たり年間配当金 ÷ 株価) × 100 |
株価に対して何%の配当がもらえるか(%) |
| 配当性向 | (配当金総額 ÷ 当期純利益) × 100 |
稼いだ純利益のうち何%を株主に還元したか(%) |
4. 【金融】債券の利回り計算(応募者・最終・所有期間・直接)
債券の利回りは4種類ありますが、すべて「分子=1年あたりのインカムゲイン(利息)+キャピタルゲイン(損益)」「分母=購入価格」という同一の骨格です。
利回り(%) = [ { 表面利率 + (償還価格 or 売却価格 − 購入価格) ÷ 所有年数 } ÷ 購入価格 ] × 100
- 最終利回り: 既発債を途中で買って満期まで持つ場合(償還価格100円 − 購入価格)÷ 残存年数
- 所有期間利回り: 途中で買って途中で売却した場合(売却価格 − 購入価格)÷ 所有年数
- 応募者利回り: 新規発行時に買って満期まで持つ場合(償還価格100円 − 発行価格)÷ 償還年数
- 直接利回り: 償還損益を無視し利息だけ見る(表面利率 ÷ 購入価格)× 100
5. 【不動産】建蔽率(建ぺい率)の緩和と建築可能面積
敷地に対して建物の「建築面積(ワンフロアの広さ)」が占める割合です。
最大建築面積 = 敷地面積 × 指定建ぺい率(緩和後)
超頻出!建ぺい率のボーナス緩和条件
- 特定行政庁が指定する角地: +10%
- 防火地域内の耐火建築物: +10%(※指定建ぺい率が80%の地域でこの条件を満たすと建ぺい率の制限なし(100%)になる特例は絶対暗記!)
- 角地 + 防火地域内耐火建築物: +20%のダブル適用!
6. 【不動産】容積率の計算と前面道路幅員による制限
敷地に対する「延べ面積(全フロアの合計床面積)」の限度です。容積率は「指定容積率」と「前面道路幅員による制限」の【小さい方】が適用されます。
前面道路制限 = 前面道路の幅員(m) × 法定乗数(住居系4/10、商業系6/10)
※前面道路が2つ以上ある場合は、幅員が広い方の道路幅を採用します。
7. 【タックス】所得税額の計算(超過累進税率と速算表)
所得税は「課税総所得金額」に超過累進税率(5%〜45%)を掛けて求めますが、試験では必ず「所得税の速算表」が提供されます。
算出所得税額 = 課税総所得金額(1,000円未満切捨て) × 税率 − 控除額
※端数処理のルール(課税総所得金額は1,000円未満切り捨て、税額は100円未満切り捨て)まで正しく行うのが実技合格のポイントです。
8. 【タックス/ライフ】高額療養費の自己負担限度額
1ヶ月(1日〜末日)にかかった医療費の自己負担が高額になった場合に払い戻される制度です。試験では「70歳未満・一般的な年収区分(区分ウ:年収約370万〜約770万円)」が最も出題されます。
自己負担限度額 = 80,100円 + (総医療費[10割] − 267,000円) × 1%
窓口で実際に支払った3割負担額ではなく、「病院の請求総額(10割分)」をカッコの中に代入する点に注意してください。
9. 【相続】法定相続分の計算ルール
遺言書がない場合の遺産分割の基準です。配偶者は常に相続人となり、順位によって取り分が変わります。
| 相続人の組み合わせ | 配偶者の相続分 | その他の相続人の相続分 |
|---|---|---|
| 配偶者 + 子(第1順位) | 1/2 | 子全体で 1/2(人数で均等分) |
| 配偶者 + 直系尊属(第2順位:親など) | 2/3 | 直系尊属全体で 1/3 |
| 配偶者 + 兄弟姉妹(第3順位) | 3/4 | 兄弟姉妹全体で 1/4 |
10. 【相続】相続税の基礎控除額
正味の遺産総額がこの金額以下であれば、相続税の申告も納税も一切不要となります。数字を暗記しておかなければ解けない超重要公式です。
相続税の基礎控除額 = 3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 )
注意点: 相続放棄をした人がいても、「法定相続人の数」には放棄がなかったものとして人数にカウントします。また、実子がいる場合の養子は1人まで、実子がいない場合の養子は2人まで法定相続人の数に含めることができます。
まとめ:計算問題は練習した分だけ確実に得点になる!
いかがでしたでしょうか?一見難しそうに見えるFPの計算問題も、こうして整理してみると「決まった公式に数値を当てはめるだけ」であることがよく分かります。
頭で理解したら、次は「実際に自分の電卓を使って過去問を解く」練習を繰り返してください。本番の緊張感の中でも自然と手が動くようになります。
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