1. 情報セキュリティの3要素(CIA)+追加4要素
セキュリティの基本は、以下の3大要素(CIA)の頭文字から始まります。
| 要素 | 英語名称 | 定義と脅威の例 |
|---|---|---|
| 機密性(C) | Confidentiality | 許可された人だけが情報にアクセスできること。 脅威:情報漏洩、盗聴、ショルダーハッキング。 |
| 完全性(I) | Integrity | 情報が正確で改ざんされていないこと。 脅威:Webサイトの改ざん、データの不正書き換え。 |
| 可用性(A) | Availability | 必要なときにいつでも情報やサービスを利用できること。 脅威:DoS/DDoS攻撃、ランサムウェア、システム障害。 |
追加4要素として「真正性(本人の確認)」「責任追跡性(ログの記録)」「否認防止(やったことを否定させない)」「信頼性(欠陥なく動作)」も頻出です。
2. 頻出サイバー攻撃手法とキーワード判定表
ITパスポートでは、問題文のキーワードから攻撃手法の名称を答えさせる問題が定番です。
| 攻撃手法名 | 攻撃の特徴・仕組み | 問題文に出る決定打キーワード |
|---|---|---|
| ランサムウェア | PC内のファイルを暗号化して使えなくし、復号のために身代金を要求する。 | 「暗号化」「身代金(Ransom)」 |
| フィッシング(Phishing) | 実在の銀行やECサイトを装った偽メールを送り、偽サイトに誘導してID・パスワードを盗む。 | 「実在の企業を装う」「偽サイトへ誘導」 |
| 標的型攻撃(APT) | 特定の組織・企業を狙い撃ちにし、業務連絡を装ったメール等で侵入して機密情報を盗み出す。 | 「特定の組織を標的」「業務連絡メールを偽装」 |
| DoS攻撃 / DDoS攻撃 | 大量のアクセスやパケットを送りつけてサーバーを過負荷にし、サービスを停止させる。複数端末から行うのがDDoS。 | 「過負荷」「サービス停止」「複数の踏み台PC」 |
| SQLインジェクション | Webサイトの入力フォームに不正なSQL文を注入し、データベースから情報を抜き取ったり改ざんする。 | 「入力フォーム」「データベースの不正操作」 |
| クロスサイトスクリプティング(XSS) | 掲示板等の入力欄に悪意あるスクリプトを埋め込み、閲覧した一般ユーザーのブラウザ上で不正実行させる。 | 「悪意あるスクリプト」「Cookie窃取」 |
| ソーシャルエンジニアリング | 人間の心理的な隙や物理的な行動(肩越しに覗き見、ゴミ箱をあさる)を利用してパスワード等を入手する。 | 「ショルダーハッキング」「トラッシング(ゴミ漁り)」 |
3. 暗号化技術の超基本:共通鍵暗号 vs 公開鍵暗号
暗号化とは、第三者に盗聴されても内容が読めないようにデータを変換する技術です。
| 暗号方式 | 鍵の種類 | メリット | デメリット・課題 |
|---|---|---|---|
| 共通鍵暗号方式 (代表例:AES) |
暗号化と復号で同じ1つの鍵を使う | 暗号化・復号の処理速度が非常に高速 | 相手に安全に鍵を渡すのが困難(鍵配送問題)。人数が増えると鍵の数が爆発。 |
| 公開鍵暗号方式 (代表例:RSA) |
誰もが見てよい「公開鍵」と、本人のみが持つ「秘密鍵」のペアを使う | 公開鍵をネット上に公開できるため鍵配送問題が起きない | 数学的計算が複雑なため処理速度が遅い |
【公開鍵暗号のルール:どちらの鍵を使うか?】
「相手Bにデータを送りたいとき、送信者Aは『受信者Bの公開鍵』で暗号化する。受け取ったBは『自分Bの秘密鍵』で復号する。」
※Bの秘密鍵は世界中でBしか持っていないため、途中でデータを盗まれても絶対に復号できません。
4. ディジタル署名と認証局(CA)の仕組み
ディジタル署名は、「データの改ざんがないこと(完全性)」と「送信者が本人であること(真正性)」を証明する技術です。
ディジタル署名の作成と検証の流れ
- 送信者は、元データからハッシュ関数を使って「ハッシュ値」を計算する。
- 送信者は、ハッシュ値を「送信者自身の秘密鍵」で暗号化する(これがディジタル署名!)。
- 受信者は、ディジタル署名を「送信者の公開鍵」で復号する。
- 復号して得られたハッシュ値と、受信した元データから算出したハッシュ値を比較し、一致すれば「改ざんゼロ&本人からの送信」が証明される。
5. 本試験の頻出チェック問題
過去問演習:暗号化鍵の組み合わせ
【問題】公開鍵暗号方式を用いて、AさんがBさんに秘密のメッセージを送る場合、Aさんが暗号化に使用する鍵と、Bさんが復号に使用する鍵の組み合わせとして適切なものはどれか?
【正解】暗号化:Bさんの公開鍵 / 復号:Bさんの秘密鍵
【解説】メッセージを読めるのはBさんだけでなければならないため、Bさんしか持っていない秘密鍵で復号できるように、ペアとなる「Bさんの公開鍵」で暗号化します。Aさんの鍵を使うと引っかけです。