1. 通信の共通ルール「プロトコル」と階層化のメリット

メーカーやOS(Windows, Mac, iPhone, Android)が異なるコンピューター同士が通信するためには、世界共通の取り決め(ルール)が必要です。この通信規約を「プロトコル(Protocol)」と呼びます。

プロトコルは1つの巨大なルールにするのではなく、「アプリケーション」「通信の信頼性」「宛先のルーティング」「物理的な電気信号」のように役割ごとに階層化(レイヤー化)されています。これにより、ある層の技術(例:有線LANからWi-Fiへの変更)が変わっても、Webブラウザのプログラム自体を作り直す必要がなくなります。

2. TCP/IP 4階層モデルと主要プロトコル一覧

インターネットで事実上の世界標準となっているのが「TCP/IPモデル」です。

階層(レイヤー) 主な役割 代表的なプロトコルと機能
第4層:アプリケーション層 ユーザーが使うアプリ(Web、メール等)ごとのデータ形式を規定 ・HTTP / HTTPS:Webページの送受信(Sは暗号化)
・SMTP:メールの「送信」
・POP3 / IMAP:メールの「受信」(IMAPはサーバー上で管理)
・DNS:ドメイン名(URL)とIPアドレスを相互変換
・DHCP:IPアドレスを端末に自動割り当て
第3層:トランスポート層 通信の「信頼性」や「伝送効率」をコントロールする ・TCP:3ウェイハンドシェイクで接続確認。確実性を重視。
・UDP:確認応答なしで連続送信。動画配信や音声通話向け。
第2層:インターネット層 世界中のネットワーク間でデータを目的地まで届ける(ルーティング) ・IP:IPアドレスを用いてパケットを中継・配送
・代表機器:ルーター
第1層:ネットワークインターフェース層 同一LAN内の通信(物理的なケーブルや電波)を制御する ・Ethernet(有線LAN)、Wi-Fi(無線LAN)
・機器固有の識別番号:MACアドレス(48ビット)
・代表機器:スイッチングハブ

3. TCPとUDPの決定的な違い(試験頻出対比)

TCP vs UDP の違い

  • TCP(Transmission Control Protocol):「確実性・信頼性」重視。データを送信する前に相手と接続を確立(3ウェイハンドシェイク)し、パケットの抜け落ちがあれば再送する。Web閲覧(HTTP)やメール送受信(SMTP)に使われる。
  • UDP(User Datagram Protocol):「速度・リアルタイム性」重視。事前の確認を行わず一方的にデータを送り続ける。少々のデータ欠損があっても遅延を嫌う、YouTubeの動画ストリーミング、Zoom等のオンライン通話、DNSの問い合わせに使われる。

4. IPアドレスの基本:IPv4 と IPv6 の違い

IPアドレスは、インターネット上のコンピューターに割り振られる「住所」です。

規格 ビット数・表記方法 アドレス総数と特徴
IPv4 32ビット
8ビットずつ10進数でドット区切り
(例:192.168.1.1)
約43億個(2の32乗)。インターネットの急速な普及によりアドレスが枯渇。
IPv6 128ビット
16ビットずつ16進数でコロン区切り
(例:2001:0db8::1)
約340澗個(実質無限)。セキュリティ機能(IPsec)が標準搭載。

サブネットマスクの役割(ネットワーク部とホスト部)

IPアドレスは「どのネットワークに属しているか(ネットワーク部)」と「その中のどの端末か(ホスト部)」の2つの部分から構成されます。その境界線を決めるのが「サブネットマスク」です。

例:IPアドレスが「192.168.1.100」で、サブネットマスクが「255.255.255.0」の場合、先頭3つ(192.168.1)が同一ネットワーク内の住所を表し、最後の「100」が端末番号を表します。

5. 本試験の頻出チェック問題

過去問演習:プロトコルの機能判定

【問題】インターネットに接続されたPCが、Webサイトを閲覧する際に「www.example.com」のようなドメイン名から、対応するIPアドレスを自動的に問い合わせて取得するプロトコルはどれか?

【正解】DNS(Domain Name System)

【解説】人間が理解しやすいドメイン名(URL)と、PC同士が通信に使う数字のIPアドレスを変換(名前解決)する仕組みがDNSです。DHCP(IPアドレスの自動配布)との混同に注意しましょう。

ネットワーク分野の過去問を解いてみる!

TCP/IP、DNS、DHCP、Wi-Fiの暗号化規格(WPA3)など、テクノロジ系の重要過去問を今すぐ演習できます。

ITパスポート 練習問題に挑戦する →