1. 法令上の制限(全8問)の全体像と攻略優先順位
法令上の制限は、問15〜問22の計8問が出題されます。出題内訳と優先順位は以下の通りです。
| 法律名 | 出題数 | 重要度・対策方針 |
|---|---|---|
| 都市計画法 | 2問 | 最重要!区域区分(市街化・調整区域)、用途地域、開発許可の例外を完璧にする。 |
| 建築基準法 | 2問 | 最重要!道路規制、建ぺい率・容積率計算、用途規制、防火規制が頻出。 |
| 国土利用計画法 | 1問 | 事後届出の面積要件(市街化2,000㎡・調整5,000㎡・その他10,000㎡)で1点確実。 |
| 農地法 | 1問 | 得点源!3条・4条・5条の許可権者(農業委員会 or 都道府県知事)の違いで1点確実。 |
| 盛土規制法 / 土地区画整理法 | 各1問 | 法改正の盛土規制法は基本用語を押さえる。区画整理法は換地処分の効果に絞る。 |
2. 用途地域13種類の一発暗記法(住居系8・商業系2・工業系3)
都市計画法で定められる「用途地域」は全13種類あります。住宅地を守る「住居系(8種)」、店舗やオフィスが集まる「商業系(2種)」、工場や物流が集まる「工業系(3種)」に分類されます。
| 分類 | 用途地域(13種類) | 地域の特徴と制限のポイント |
|---|---|---|
| 住居系 (8種類) |
第一種低層住居専用地域 | 最も規制が厳しい!高さ制限(10mまたは12m)あり。店舗は兼業住宅(50㎡以下)のみ。 |
| 第二種低層住居専用地域 | 低層住宅専用だが、床面積150㎡までのコンビニ等の小店舗が建てられる。 | |
| 第一種中高層住居専用地域 | 中高層マンションを守る。大学・病院・床面積500㎡までの店舗が建築可能。 | |
| 第二種中高層住居専用地域 | 床面積1,500㎡までの店舗・事務所が建てられる(オフィス街の気配)。 | |
| 第一種住居地域 | 住居の環境を保護。床面積3,000㎡までの店舗・事務所・ホテル・旅館が建てられる。 | |
| 第二種住居地域 | 主として住居。パチンコ屋・カラオケボックス(10,000㎡以下)もOK。 | |
| 準住居地域 | 国道沿いなど道路交通と調和した住宅地。自動車ディーラー、小劇場等もOK。 | |
| 田園住居地域(新設) | 農業と低層住宅の調和。直売所・農家レストラン(500㎡以下)OK。低層地域とほぼ同等の規制。 | |
| 商業系 (2種類) |
近隣商業地域 | 近隣住民の日用品供給。商店街。ほとんどの店舗がOK(風俗店は不可)。 |
| 商業地域 | 繁華街!何でも建てられる(風俗店、キャバクラ等も可能)。住宅も建てられる! | |
| 工業系 (3種類) |
準工業地域 | 軽工業やサービス施設。環境悪化の恐れのない工場。住宅や学校も建てられる。 |
| 工業地域 | どんな工場もOK。住宅や店舗は建てられるが、学校・病院・ホテルは建てられない! | |
| 工業専用地域 | 臨海部のコンビナート等。13用途地域中、唯一「住宅が絶対に建てられない」地域! |
- 住宅が建てられない地域:工業専用地域のみ(商業地域や工業地域にも住宅は建てられる!)
- 学校・病院が建てられない地域:工業地域、工業専用地域、低層系の兼業住宅(小・中・高校は低層系でも建てられるが大学・病院は中高層以上から)
3. 建ぺい率の計算ルールと2大緩和ボーナス
建ぺい率とは、「敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合」のことです。街の防災や採光を保つために上限が定められています。
(1) 建ぺい率の基本式
(2) 建ぺい率の「+10%」「+20%」緩和ルール(超重要)
一定の安全条件を満たすと、指定建ぺい率にボーナスが加算されます。
| 条件 | 緩和ボーナス | 具体例 |
|---|---|---|
| 特定行政庁が指定する「角地」 | +10% 加算 | 指定建ぺい率60% → 70% にアップ |
| 防火地域内の「耐火建築物等」 または準防火地域内の「耐火・準耐火建築物等」 |
+10% 加算 | 燃えにくい建物にする見返りとして+10%緩和 |
| 両方の条件を満たす場合(角地 + 耐火建築物等) | +20% 加算! | 指定建ぺい率60% → 80% に大幅アップ |
| 【最重要特例】指定建ぺい率80%の地域で、 防火地域内の耐火建築物等 |
建ぺい率制限なし! (100%OK) |
80%+10%=90%ではなく、制限撤廃で100%敷地いっぱいに建てられる! |
4. 容積率の計算手順:前面道路幅員による制限(2つのうち小さい方)
容積率とは、「敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合」です。建物の高さを制限する指標となります。
(1) 容積率決定の2ステップ
本試験で計算問題が出た場合、必ず以下の2つの数字を算出し、「小さい方(厳しい方)」を採用します。
- ① 都市計画で定められた「指定容積率」(問題文にそのまま記載されている数字)
- ② 前面道路の幅員による制限容積率
※前面道路が12m未満の場合にのみ適用される。
計算式:前面道路の幅員(m) × 法定乗数(住居系=4/10、その他商業工業系=6/10)
本試験の典型計算例
【条件】第一種住居地域、指定容積率300%、敷地面積200㎡、前面道路の幅員が「6m」の場合、建築できる建物の最大延べ床面積は?
【計算手順】
- ① 指定容積率:300%
- ② 前面道路制限:6m × 4/10 = 24/10 = 240%(住居系なので4/10を掛ける)
- ③ 比較:300% と 240% の小さい方を採用 → 240%が適用容積率となる!
- ④ 最大延べ床面積:200㎡ × 240% = 480㎡
5. 過去問引っかけポイント&確認チェック
引っかけ①:前面道路が2つある場合
【問題】敷地が幅員4mの道路と、幅員6mの道路の2つに接している場合、道路幅員制限の計算にはどちらの道路幅員を使うか?
【正解】広い方の道路幅員(6m)を使う!
敷地が2つ以上の道路に接している場合は、最も広い道路の幅員を基準にして計算します。狭い方で計算させる引っかけに注意しましょう。
引っかけ②:敷地が2つの用途地域にまたがる場合
【問題】敷地が第一種住居地域(建ぺい率60%)と商業地域(建ぺい率80%)にまたがっている場合、建ぺい率・容積率はどのように決定されるか?
【正解】敷地面積の割合に応じた「加重平均(按分計算)」で求める!
過半が属する地域の数値が適用されるわけではありません(過半が適用されるのは「用途規制(建物の建てられる種類)」と「防火地域(厳しい方)」です)。建ぺい率と容積率は加重平均で按分計算します。